タイにて

正直、退屈である。

お金がなくてなにもできないのである。もどかしい。せっかく高いお金を払い遠い距離を来たのに。うまくいかないものだなあ。

原因は明らかである。我々の未熟さ故である。経験が全くなかった。手探りの状態で、いや、手探りも不十分に始まったこの旅行、備えなければ憂いありである。

友達は日本から二万円しか持ってきてなかった。文面なのでいうが、ふざけるなである。まあ、自分もクレジットの暗証番号がわからなかったりとふざけているのだが。

友達も反省している。彼のすごいところは常に前向きである。しかし、自分はそんなものには憧れない。自分の感情には素直でいたい。まあしかしだからと言って俺のせいで会話はない。だってそんな山梨の高校の話ばっか聞きたないもん。始めてよしやのマシンガントークに感謝した。

まあ、自分にも非はある。出会ったタクシーのおじさんにつれられて二日目アユタヤを廻ったのだが、遺跡行きまくりボートも乗るわの豪遊である。お金が心配?いやいや、これはおっちゃんが予約したので断れない。しかも幸運の贈り物(笑)を1000バーツで買わされた。くそっ、これがぼったくりというものか!昔から「後藤は将来絶対騙されるよ~」と言われていたがこういうことだったのか!

おっちゃん。悪い人ではないんだよ。ごはんもおごってくれた。でもなぜだろう。無償の愛ってないんだなーって思わせてくれるんだよ。チップを取る文化のせいかしら。

自分は未熟だ。内面だけではない。みかけもだ。これは悪いが日本人のDNAのせいだ。低身長、童顔。なめられる。でもなめられてしかるべきだ。平和ボケで消極的。ああ日本人って。

まあ生きて帰れるかを心配してた昨日の夜に比べて、今日は希望がでてきたよ。散歩しただけだったけどなんかでかい市場に行けたし。楽しかった。まちがいなく、お金があれば、もっと。スコールも見れた。

初めての海外旅行、失敗するだろうな、と思って1人じゃなくて二人で行ってるんだし、実際それで助かってるし、いい経験になったし。そうだんだんと思えてきた。

明日はもっとタイらしいことがしたい。でもタイらしいことってなんだろう。水上マーケットはマーケット行ったからある程度満足だし、現地の暮らしを見ようにも、タクシーのおっちゃんと話せたことは間違いない財産だし、食べ物を食おうにも、言っちゃなんだが俺はタイ料理が得意でない!…案外ニューハーフショーを楽しみにしてた自分がいることに気がつかなくもないが。